ごあいさつ

会長あいさつ

一般社団法人 奈良県鍼灸師会はおかげさまで令和4年に法人設立65周年を迎えました
 法人設立65周年を迎え、6月26日に記念式典を奈良ロイヤルホテルにて無事に対面形式で開催することができましたことを先ずご報告させていただき、感謝申し上げます。

 COVID-19の騒動が時と共に形を変えて収まることなく続き、社会は不安な状況から抜け出せずにいます。この悪しき流れの中私は、われわれ鍼灸界に何が出来るだろうかと考える日々です。みなさまも恐らく同様に汲々となさっておられることと想像いたします。
 医療人として成すべき事があるはずだと考えれば考えるほど、基本に立ち返りはしないでしょうか。鍼灸とはなんぞや、そして、なんのために我々は鍼灸を施すのか、という基本姿勢を思い出し、学び直す必要性を感じています。東洋医学の、特に鍼灸の臨床家となった時に体得した技術と理論は忘れてはいないだろうか、と。数千年に及ぶ先人達の貴重な医療経験の、普遍的で正しい継承を可能にするのは、われわれ治療者ひとりひとりに委ねられたものであるという自覚を今一度確認する時ではないかと感じています。

 鍼灸、つまり東洋医学を生み出した基本的思想は、人間という生命体をどう捉えるかに大きな特徴があります。生存に必要なものは、すべて自然界の天と地の産物により与えられることから、人間の生命活動の源泉は自然にあり、人間の生命体も自然の一環で、人体内部の仕組みも自然の一部として考える、というのがそれです。臓器は異なる働きをしつつも全体で有機的につながり、ひとつの自然として統一性を宿す。そこから、陰陽論に基づいた病因観も生じていました。

 未知のウイルスや病であってもわれわれ東洋医学の立場は揺るがないはずです。自然物である人体をいかに自然なまま生きさせるかという、医療を人間化する役割を、先端医学の対にあって担っているのです。今後行うべき鍼灸医療の一層の普及と維持活動では、この東洋医学の思想と理念に基づいた技術のこと、人間が自然に根差した存在で、だからこそ自然の中に解決の道筋があること、それらを県民に周知させ、安心を与えていかなければと思いを新たにしております。どうか、一緒に学び続け、磨き続け、医療の人間化実現をしていただきたく改めてお願いを申し上げます。

 末筆になりますが、会員の皆さま、従業員さま、並びにご家族さまのご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

一般社団法人 奈良県鍼灸師会
会長  門野 章

沿革

 本会は大正10年に創立、昭和32年に社団法人 奈良県鍼灸師会として認可され、約80名の会員で運営しています。そして令和4年に法人設立65周年を迎え現在にいたっております。

 会員の資質・学術・技術の研鑚充実をはかり、社会への鍼灸の普及と県民の健康保持増進に寄与し、鍼灸師の社会的地位向上をはかることを目的とした県内唯一の鍼灸専門団体として活動しています。

 会の運営は理事・役員があたり、各支部の代表である支部長が会員の意見を理事会で反映させ協議を重ね、各部が積極的に活動を行っています。

 全国組織として公益社団法人 日本鍼灸師会があり、鍼灸師の法的身分の確立や、医療としての鍼灸の位置付け・保険運動の推進・各都道府県師会から選ばれた臨床指導者の育成等について活発な活動をしています。

 また、奈良県保険鍼灸マッサージ師協会を設立(平成9年2月)して保険業務の推進にも多大の貢献をしています。

奈良県鍼灸師会ロゴマーク


鍼治療のハリと、お灸治療のヨモギの葉をイメージしています。


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